目が赤い(充血・出血)のはなぜ?
ふと鏡を見たとき、目が赤くなっていることはありませんか?
パソコンやスマートフォンなどのモニターを集中して視聴したときなど、一時的に充血し、休んだり眠ったりすれば治るものであれば、それほど心配はいりません。
しかし、中には病気やトラブルによって生じる充血もあります。また、結膜(白目部分)の一部や全体が鮮やかな赤色に染まっている場合には、結膜下出血が疑われます。
眼の充血が続くとき、あるいは出血が認められるときには、お早めに当院にご相談ください。
原因となる生活習慣
PCやスマホ利用時のまばたきが少ない
パソコンやスマートフォンなどを集中して見ていると、無意識に瞬きが減少します。これに、モニターから発せられる光の刺激が重なり、涙の量が少なくなる・目の筋肉が疲れることから、充血が起こります。
眼鏡やコンタクトレンズが合っていない
眼鏡やコンタクトレンズの度数が合っていないと、毛様体筋というピントを合わせる筋肉が疲労し、血管が拡張することで、充血が引き起こされます。
花粉やホコリなどのアレルギー
花粉やホコリなどのアレルゲンとの接触により、結膜が炎症を起こして充血することがあります。そのほか、ペットの毛、フケ、真菌なども、結膜の炎症や充血の原因となることがあります。
原因となる疾患
結膜充血による赤み
感染性結膜炎
ウイルス、細菌に感染することを原因として発症する、結膜(白目部分)の炎症です。それぞれ、ウイルス性結膜炎、細菌性結膜炎と呼び分けられます。
目の充血に加えて、目やに、ゴロゴロとした異物感、涙が出るといった症状が見られます。
アレルギー性結膜炎
花粉・ハウスダストなどのアレルゲンとの接触を原因として発症する結膜炎です。花粉を原因とするものを特に花粉症と呼びます。
目の充血に加えて、かゆみ、目やに、ゴロゴロとした異物感などの症状を伴います。
眼精疲労
目の充血やかすみ、乾燥、ショボショボ感などの症状に加え、頭痛・肩こり・めまい・倦怠感といった全身症状を伴い、目や身体を休めても軽快せず慢性化した状態です。
目を休めれば回復する「疲れ目」とは区別します。
ドライアイ
目の表面を覆う涙の量が減少し、角膜・結膜上皮に慢性的な炎症を起こしている状態を指します。
目の乾燥、ゴロゴロ感、ショボショボ感、目のかすみ、充血、目やに、瞼の痙攣といった症状を伴います。
毛様充血による赤み
ぶどう膜炎
感染症、外傷、自己免疫疾患などを原因として、ぶどう膜(眼球内部の脈絡膜・毛様体・虹彩の総称)で炎症が起こっている状態です。
目のかすみ、飛蚊症、光が眩しい、充血、眼痛、視力低下などの症状を伴います。
急性閉塞隅角緑内障
角膜と虹彩の交わる「隅角」が塞がることで、眼球内に房水がたまり、眼圧が急激に上昇して発症する緑内障です。急性の激しい頭痛、目の痛み、嘔吐、目の充血などの症状を伴います。
すぐに眼科を受診してください。場合によっては、緊急手術が必要になります。
出血による赤み
結膜下出血
血管からの出血によって結膜の一部や全体が鮮やかな赤色に染まります。
初めて経験した方は見た目の変化に驚かれるかと思いますが、眼球の内側に血液が入り込むことはありません。また、視力への影響も通常はほとんどなく、血液は1~2週間ほどで自然に治ります。
ただ、診断および経過観察は必要ですので、必ず眼科を受診するようにしてください。
目が赤いとき眼科を受診する目安
目の充血は、私たちにとって身近な症状です。同時に、ほとんどは目を休めることで改善する一時的な症状です。
ただ、休んでも充血が改善しない、鮮やかな出血が見られる場合には、必ず眼科を受診するようにしてください。
また、突然の頭痛、眼痛、嘔吐、目の充血などが起こった場合には、急性閉塞隅角緑内障などの重大な病気を発症している可能性があります。こちらは、直ちに眼科を受診する必要があります。ときに、一晩で失明してしまうケースも見られます。