視界が歪むときの症状
視界が歪むという症状は、なかなかご自身では気づけません。また片目で症状がある場合にも、反対側の目で補完されるため、発見が遅れがちです。
視界の歪みと同時に現れやすい症状としては、視野欠損、中心暗点などがあります。
これらの症状に気づいたときには、お早めに当院にご相談ください。次の項目にて、簡単なセルフチェック方法をご紹介します。
視界が歪んで見える?セルフチェック方法
- 左目を閉じます。
- 左手の人差し指をたて、右目の正面に持っていきます。
- 右目の視線を真っすぐ正面に向けたまま、左手の人差し指を左右に平行移動させます。
- 右目で人差し指が見える範囲を確認します。左側(鼻側)に60度、右側(耳側)に90度の範囲で正常に指が見えていれば、問題ありません。この範囲が見えない、あるいは見えているけれど欠損や暗点などがある場合には、疾患が疑われます。
- ここまでが、”右目のセルフチェック”です。次は右目を閉じて、同じように左目をセルフチェックしてください。
歪んで見える原因・疾患
加齢黄斑変性
加齢、生活習慣、遺伝などを原因として網膜の黄斑部が障害される病気です。
視界の歪み(特に中心部)、かすみ、ぼやけて見える、視野欠損、中心暗点などの症状を伴います。
網膜剥離
加齢、外傷、あるいは強度近視などを原因として、網膜に穴があいたり裂け目が生じ、視細胞が剥がれてしまった状態です。
飛蚊症や光視症、視野のかすみ、視野が暗い、ものが歪んで見えるといった症状を伴います。
眼底出血
生活習慣病に伴う動脈硬化、外傷、加齢などを原因として、網膜が破綻・閉塞し出血することを指します。
飛蚊症や光視症、視野欠損、視界の歪み、ぼやけて見える、視力低下などの症状を伴います。
黄斑上膜
加齢に伴い硝子体が変性することを原因として、網膜の「黄斑部」の上に薄い膜が生じ、網膜機能を障害する病気です。
視力低下、視界の歪み、ぼやけて見える、中心暗点などの症状を伴います。
糖尿病網膜症
糖尿病の合併症の1つであり、成人の失明原因の第一位に位置する病気です。
目のかすみ、視力低下、飛蚊症、視界が暗い、視界の歪みといった症状が挙げられますが、特に初期にはほとんど無症状です。そして最悪の場合には、失明に至ります。
発症を予防するためには、糖尿病の診断を受けた時点で眼科を受診することが大切です。
網膜静脈閉塞症
主に動脈硬化を原因として、網膜にある静脈が詰まり、浮腫・出血を起こす病気です。
視力低下、視界のかすみ、視界の歪みなどの症状を伴います。硝子体出血を起こした場合には、突然、何も見えなくなります。
中心性漿液性網脈絡膜症
網膜の中心、黄斑部が腫れる病気です。
軽度の視力低下、視界の歪み、中心暗点、色覚異常などの症状を伴います。
視神経炎
目で見た情報を脳へと伝える視神経で炎症を起こした状態を指します。
視力低下、眼球を動かすときの痛み、視界のゆがみ、中心暗点、視野欠損などの症状が見られます。
視界が歪むときは眼科を受診しましょう
視野欠損、中心暗点、視力低下などと比べると、「視界が歪む」という症状は自覚しづらいため、受診が遅れがちです。一方で、さまざまな疾患を原因として発症することのある病気であり、また実際に疾患が原因になっている可能性も比較的高くなります。
「視界が歪んでいる気がする」という半信半疑の状態でも、お早めに当院にご相談ください。気のせいであればそれに越したことはありませんが、検査で疾患や屈折異常が認められた場合には、その原因に応じた治療を提案して参ります。